さきほど、JR神田駅に行くと、こんな張り紙をした「トンカツ屋」さんがあった。
11月27日をもって、閉店しました。
実は、このトンカツ屋さん、一度行ったことがある。
でも、一度行って、「もう行くことはないな」って思ったトンカツ屋さんだった。
そして同時に思った。
「きっと、ここ一年以内に、閉店するだろうな」って。
自慢ではないが、わたくしの飲食店の「うれる!うれない!当たる!当たらない!流行る!流行らない!」の予想は、本当によく当たる(笑)。
宝くじはちっとも当たらないのに、こういう飲食店の流行るか、どうかの予想は100%に近いくらいの確率で的中するのだ。
(食べログにも厳しい意見がたくさん・・・)
★わたくしが思う閉店した2つのワケ
- 場所、金額
- マーケティング
①場所・金額に関して
いわゆる神田は、ビジネスマンがたくさんいる街。
したがって、飲食店の価格は、ランチも夜も単価は比較的リーズナブル。
そんな街で、このトンカツ屋さんは、最高値3,200円というトンカツを提供。
一番安いものでも、とんかつ定食(ロース)で1,500円である。
徒歩30秒のところに、とんかつでは無いが、500円のワンコインランチもたくさんある中、このお店は高価格戦略で勝負してきた。
もちろんそれに見合うだけの味ならば、問題は無い。
しかし、わたくしも感じたが、その金額に見合うだけのトンカツではなかったし、他の方の食べログを見てみても、「油切れが悪い!」「かつがスジスジ!」「ご飯がべちゃべちゃ」と厳しい意見が多数散見された。
つまり、味と場所と価格帯がミスマッチなわけだ。
これでは、流行るわけがない。
観光客がたくさん来るところならまだしも、ビジネスマンの多いこの神田という街で、この味、この単価では通用するはずもなかったのだ。
ちなみに、わたくしが愛する溜池山王のとんかつ屋「まさむね」は、1,500円もしないが、一口食べただけで、本当に旨い!と感じられつトンカツが食べられる。いつも行列が出来ているのも納得のお店だ。
②マーケティング
このトンカツ屋さん、入口(ファザード)のデザインは確か『○○メートル集客』という会社(広告会社?)が携わっていたようだった。(違っていたらごめんなさい)
ようは、30歩くらい前から目につくように、目立つ看板にしましょうということらしい。
だから、こんな入口の看板だった。
これ、どうですか?
写真では色が薄いけど、実際はもっと黄色が濃い。
とんかつという文字は目立つけれど・・・。
美味しそうじゃないよね・・・。
なんか入りづらいし。。。
加えて、このトンカツ屋さんが反省すべき点がある。
それは近隣への営業である。
このとんかつ屋さんの近くには、ホテルが2つある。
一度、そのホテルのフロントスタッフ(責任者)に聞いたことがある。
宮野「あのトンカツ屋さん行った?評判どう?チラシとか持ってきた?」って。
すると、そのフロントスタッフは「わたしは行ったことないですね。チラシも持ってきてないと思いますよ」という答えだった。
飲食店に多いパターンが、味が良ければ、お客さんが勝手に来ると思っているパターン。
これが本当に多い。
しかし、現実はそうではない。
味だけで、お客さんは来ない。
お店自ら、営業を仕掛けていかないといけないのだ。
ネット戦略、チラシ配りなどをやらないと、いくら東京で人が多いといっても、お客さんは来てくれないのだ。
待つだけの戦略でお客さんが来る、味、立地、価格でなかったのに、このお店はそれをやってしまった。
それが残念ながら、このお店が閉店してしまった理由と言えるだろう。
★教訓
どんな業種でも、攻めないといけない時がある。
積極的に営業を仕掛けないといけない時期がある。
知ってもらうには、お客さんに足を運んでもらうには、まずは攻めること。
チラシを撒く。
ブログを書く。
ホームページを作る。
食べログに広告を打つ。
出来る事はたくさんあります。
あなたのお店は、大丈夫ですか?
ちゃんと攻めの営業していますか?