先日、こんな記事を目にしました。
日本人の平均月収はアジアトップではない!? 実は日本は余裕がない国
記事を見たらわかりますが、もう日本人の若い人(20代)の月収はアジアでトップではなく、なんと第3位。
ちなみに1位はシンガポールで、2位が韓国。
大丈夫か、ニッポンは・・・。
でも、これなんとなくわかるんです。
先日、ある美容室のオーナーさんと話をしていた時のこと。
オーナー「宮野先生、聞いてください。今、わたしたちの美容室は3つの問題があります。一つが、集客。これはもう言わなくてもお分かりですよね?
そして、2つ目が社会保険の問題。多くの美容室が、これまで社会保険を払っていませんでした。もっと言えば、払うほど儲かっていなかったというべきでしょうか。でもこれからは、そうはいきません。社会保険もちゃんと払わないといけないと感じています。
そして、3つ目の課題。今、美容師の求人(リクルート)が非常に難しくなってきています。募集しても来ないし、そもそも美容学校を卒業しても美容師にならないという子が本当に増えています。確かに美容師の仕事は大変なんですが、人を綺麗に出来るという素晴らしい仕事なんですけどね・・・」
そんな話を打ち明けられた。
実際、弊社にも時々、「美容室の求人で困っています」という相談が増えている。
そんなときは、こう答えている。
「オーナーの想いを伝えたら、人は来てくれますよ」って。
今月、一つの美容室がオープンする。
その美容室とは、埼玉・川越のカラバンス。
(真ん中がオーナーの船橋秀樹さん、右が美人な奥さんのSachikoさん)
このオーナー夫婦とはもう1年の付き合いになる。
以前、こちらのブログでも紹介したが、
本当にこの美容室は情報発信に長けている。
そしてその情報発信の成果の一つが、美容師の求人に関して現れた。
なんと0円で美容師を6人(7人だったか?忘れた)も採用できたのだ。
一般的に今、一人の美容師を中途採用するのにかかる費用は、約30~40万円。
実際にはもっとかかるかもしれない。
でも、この美容室ではブログやFB、ホームページを活用することで、
1円もかけずに多くの美容師を採用することができた。
もちろんブログを書くという時間的なコストはかかっているけれども、
6人×30万円=180万円もその時間はかかっていない。
さらに、「こういう人と働きたい!うちのサロンの考えはこうですよ!」と情報発信をすることで、
その考えや想いに共感してくれた素晴らしい美容師さんが、
6人もこの美容室に入ろうと決意してくれたのだ。
その結果、今月に2店舗目を出店することができるようになった。
一方で、こんな意見もある。
先日聞いた話なのだが、「うちの見習いの美容師(入社して半年)は、手取り16万円です。スタイリストになったら、給料上がるよって話をしても、その子は興味なさげなんです」というもの。
その子(見習い)の考えはこうだ。
『わたしは実家に暮らしているから、家賃もかからない。彼氏もいる。だから、そんなにたくさんのお金が欲しいとも思わない。実際、父親の小遣いより、わたしの手取りの方が多いし・・・。頑張って夜遅くまで働いてスタイリストにならなくても、今の見習いのという立場でも十分生活は楽しいんです」
つまり、頑張って技術を磨いて一人前のスタイリストにならなくても、今の生活で満足しているよってこと。
手取り16万円で結婚して、子供が出来て・・・。生活できるのか????
ただ、実際にいろんな美容室やエステサロンなどに行って最近思うのだが、
今の若い世代の人たちは総じて収入アップにあまり興味がない。
- 早く帰れる
- 週休二日
- 飲み会が無い
そんな会社が、今の若い人たちは好きなのだ。
と考えると、サロンの経営者も大変だなって思う。
それでも敢えて、言いたい!
これからは、『個を出さないと生きていけないよ』と。
収入が増えるからとかそういう問題ではなく、個=パーソナルな部分を出さないと、これからはお客さんが寄ってこない時代になってきている。
あるネイルサロンの話だが、そのサロンではスタッフがブログを書いたりしている。
けれども、残念ながら集客という面では思ったほど効果が出ていない。
「こんなデザインでネイルできますよ」
「今流行のネイルはこんなのがありますよ」
そういった発信は出来ているものの、足りない部分があるのだ。
それが、『個』の部分。
この人にネイルをしてもらいたい!
そう思わせる強烈なインパクトが無いのだ、そのネイルサロンのブログには。
お店にお客さんが来たら、接客はちゃんとします。
技術もしっかり研鑽します。
でも、顔とかはブログやHPには出したくない。
ましてや、プライベートの話とか、ブログなんかに公開したくない。
そんなことを言っていると、いつまでたっても「あなたに施術してもらいたい」というお客さんは来ない。
その結果、会社としては広告をずっ~と打っていかないといけなくなる。
となると、スタッフの給料も上げたくても、上げられない。
そんなジレンマがずっと続くのだ。
大企業ならそれでもいい。
個を出さなくても、積極的に予算をかけて広告を出してくれるから。
お客さんは、会社が集めてきてくれる。
でも、われわれのような中小企業はそういうわけにはいかない。
少ない利益の中から、広告を打っていかないといけないわけだ。
となると、広告の予算も限られてくる。
ならば、ブログやFacebook、YoutubeやLINE@といった無料のツールを活用して集客していくしかない。
でも、多くのサロンやお店が、集客できているかどうかはともかく、ブログやFBを活用するようになった。
となると、それらと差別化することが必要になってくる。
4,000円でカットしますよという発信だけではなく、わたしならこんなカットが出来ますよ!という個を意識した発信が必要なのだ。
そして、そんな強烈なインパクトのある発信を続けることこそが、差別化になり、お客さんの心を打つメディアになっていくのだ。
経営者の皆さん、スタッフや従業員の教育は大変だと思います。
でも、ここは頑張って、説明してください。
「これからは、みんなにも協力してもらいたい。個を出して、SNS(ブログなど)にあたってもらえないか?」と。
一回言ったくらいでは、ダメかもしれません。
でも、毎日毎日、経営者がスタッフに想いを伝えれば、スタッフの皆さんも分かってくれると思います。
それを信じて、頑張りましょう、中小企業の経営者の皆さん。
そしてそんな素敵な経営者を、わたしは応援します!