スタッフに気を使いすぎちゃいませんか?
サラリーマン時代の企業信用調査会社の時と合わせると、これまでに6,000人以上の経営者に会ってきた。
加えて、今のこの仕事を始めて、コンサル自体に携わらせてもらった数も150件以上にのぼる。
その中で、スタッフを複数抱えている会社で、売上がなかなか伸びない会社にはある一つの共通点がある。
それが、「社長(オーナー)がスタッフに気を使って、言いたいことを言えていない」ということだ。
オーナーが委縮して、リーダーシップを発揮していない会社が、本当に多いのだ。
今の若い人は、すぐに辞める・・・
そんなことを言うと、こういう経営者の反論を受ける時がある。
「宮野さんはそう言うけど、今の若い人の使い方は難しいですよ。強く言えば、すぐ辞めちゃうし・・・」
確かにそうかもしれない。
というか、若い人の中で、そういう打たれ弱いタイプが増えたことは否定しない。
とはいえ、全部が全部、そういうタイプの人ではないわけだ。
実際、弊社が携わる関西のある美容室。
その美容室では、毎年、社員旅行(儲かっているから行ける)としてハワイに行っているが、新人2名はとっても良い感じのスタッフである。
入社時にそういう人を選んで採用したというのもあるだろうが、その後の研修などで先輩や上司、オーナーが教育してきた結果の賜物だろう。
もう2年以上、その美容室にコンサルに通っているが、一度もその若手スタッフの対応で嫌な思いをしたことがない。
半面、売上がなかなか上がらないサロンに行くと、どうか?
まず、初体面で必ず不機嫌そうな顔をするスタッフがいる。
「あんた、何者?コンサル?何しに来たん?面倒くさいなあ」
そんなことを言わないまでも、そのスタッフの表情からはその感情が見て取れるのだ。
こういうサロンでは、売上が上昇気流に乗るまでに、やっぱり時間がかかる。
スタッフとこちら、スタッフとオーナーとの信頼関係を先に築く必要があるからだ。
良くも悪くもオーナー、あなたのカラーを出すしかない
わたくしが前職で勤めていた会社は、強烈なオーナーがいた。
朝からキャンキャンと怒ることもしばしばだったし、毒舌だからと嫌いという外部の方もたくさんいた。
わたくし個人的には、今はその社長は全然嫌いじゃないが、当時は「この社長とは、距離を置いて仕事をしよう」とずっと思っていた。
だから、入社して退職するまでの12年間で、社長と二人きりで会食をしたのは辞める時の一度だけ。
とはいえ、この会社は、儲かっていた。税金もちゃんと納めていた。
鶴の一声で決まることも多々あったが、そもそも中小企業とは、オーナーの個人持ち物会社のようなものといっても過言はないだろう。
やりたくないことも、やらされた(笑)。
例えば、研修。
能力開発の研修プログラム(S〇Iというもの)を、会社半分、個人負担半分でやるようになったりもした。
全部で70万円くらいの研修を半額負担し、受けたくもないのに、受けないといけなかったのだ。
でも、先ほども述べたように、鶴の一言で決まる会社。
「やる」以外の選択肢は、なかった。
結局、それがわたくしの身になったかどうかはともかく、今もその会社は存続し、噂によると業績も好調だそうだ。
オーナーの想い、やりたいこと、今後の方針をオーナー自らが、しっかりとスタッフに伝えないといけない。
そして、ダメなものはダメと、厳重に指導する必要がある。
それで、辞めていくならそれまでの人だし、いつまでもそういう人が残る方が会社全体にとっても害になる。
腐ったミカンは、取り除かないと、他のミカンまでが腐ってしまうのだ。
誰の会社なのか?
あなた=オーナーの会社なのだ。
ガンガン、キャミキャミという必要はないけれど、ここぞという時にはリーダーシップを発揮して欲しい。
会社は、仲良し集団ではない。
売上を上げ、会社を存続させ、社員の生活を安定させる必要がある。
こういう記事を見ると、耳の痛い人もいるかもしれない。
しかし、今やらないと、結果は何も変わらない。
行動しないと、あなたが得たい未来は得られないのだ。
明日の朝の朝礼、ミーティング、個別面談と形はいろいろあるだろうが、ぜひオーナー自らが「会社を変える!もっと良い組織にする!!」と宣言してみて欲しい。
そして、自分を奮い立たせ、会社運営を今一度、考えてみる機会を設けてみてはいかがだろうか?
追伸
偉そうなことを書きましたが、わたくし、宮野には部下はおりません。
昨年、ある仲の良い社長がこう言っていました。
「宮野くんは、一人でやったほうがいいね。人を使うのは、その性格だと無理だ」と。
わたくし、自分でもそう思う(笑)。