先日、あるサロンオーナー(Aさん)とコンサルの打ち合わせをしていた時のこと。
宮野『ホームページはあるんでしたっけ?』
Aさん『まだ無いんです』
宮野『是非作りましょう。WordPressのホームページがいいですよ。10万円くらいで作れますから』
Aさん『そうなんですね。検討します』
ホームページは、ネット集客で軸となるもの。
だから、ネットからお客さんを集めたいなら、ある程度、ここにはお金を投下すべきなのだ。
その説明をしたら、Aさんがボソッとつぶやいた。
『どっか安く作ってくれるとこ探そう』
安いところを探す。
この言葉を聞いたとき、わたしは少しガッカリした。気持ちは分かる。
誰だって安い方がいい。
だけど、安いところは得てして、中身もそれ相応なのは世の常。
TOYOTAのレクサスと、インドのタタの車。
どちらの性能がいいか?
Macの100円バーガーとモスバーガーのハンバーガー。
どちらが美味しいか?
ホームページ制作費10万円もかなり安いとは思うが、それより安価なところももちろんたくさんあるだろう。
でも、結局、安物買いの銭失いになっているパターンが多いのだ。
自店には安いお客さんより、
高単価のお客さんが来てほしい・・・
そしてもうひとつ。
Aさんがつぶやいた言葉には、見過ごせないところがある。
安いとこ、探そうと自分は思っている。
でも、サロンに来てくれるお客さんには、
たくさんお金を使って欲しいわけだ。
高単価のお客さんを獲得したいと考えているのに、
自分は安いとこを探す。
それは、虫が良い話ではないだろうか?
Aさんのサロンは、価格帯は安くも無く、高くも無く、他のライバル店と同価格帯。
決して安いわけではない。
したがって、狙うのは低価格帯のお客さんでは無い。
しかし、自店の宣伝・PRの軸となる部分(Webサイト)には、資金を投下しない。
それで果たして、良いお客さんを集めることができるだろうか?
この矛盾は、商売を考えるときに、失敗しやすいパターンなのだ。
結局は、幸いにも超格安のホームページ制作会社を見つけて依頼できたとしても、
月間の売り上げはそれ相応の売り上げにしかならないだろう。
なぜなら、格安の低予算で本当に良いものが作れるわけがないわけで、
相応のものには、相応のお客さんが集まってくるようになる。
そうなると、お客さんの中にも安いとこを探す方もたくさんいるわけで、
そういうお客さんを相手に商売せざるを得なくなる。
結果的には、低単価のお客さんは、一人当たりの利益は少ないから、長時間働く必要が出てくる。
儲からないと嘆く・・・。その結果が目に見えているのだ。
ビジネスの原則。それは、「投資はしたくない。でも、売上だけは上げたい」なんてのは無理だというもの。
基本的には、お金をかけたらかけただけ、実入りが多くなるというのが世の中の常ってもんだろう。
もちろん、そうじゃない場合もたまにあるだろうが。
今のお客さんを集めているのは、これまで自分たちがやってきた宣伝の結果。
「安いよー安いよー!大根一本50円」で言って集めたお客さんは、そういうPRをしてきたから集まってきたわけ。
「有機栽培で作った美味しい大根250円」と言ってPRすれば、そういうものに興味があるお客さんが集まってくる。
商売のやり方は千差万別。だから、どちらが正しいというものは無い。
でも、どちらが売り上げが上がり、どちらが利幅が大きいかは分かるだろう。
そういう私も最初は、苦労した。
お客さんが欲しい、実績が欲しい。
だから、自分にとってはあまり利益にならない価格帯を設定した。
そうしたら、確かにお客さんは集まってきた。
でも、結局は自分がかなり苦労した。
これじゃ、あかん!!いつまでやっても、売り上げも上がらないし、儲からない。
そう思って、価格帯やサービスの内容を大幅に転換した。
「お客さん集まるだろうか・・・」
もちろん、そういう不安があった。
でも結果的にはそれが大正解。
PRの方法を変えて、ネット広告などを利用したことで、良い繋がりを持つことができた。
だから、今は、本当に良いお客さん=コンサル先に恵まれている。
どういうお客さんを集めたいかを決めるのは自分。
そして、そのお客さんを集めるために、どうしたらいいかを決めるのも自分。
その選択さえ間違わなければ、欲しいお客さんが集まってきて、本当にやりたいことが提供できることになる。
自分自身の経験からもそう思います
東京に実質本社を移すのも、投資。
顧問弁護士を雇うのも投資。
いつかそういうものが、実になる時があると思って、投資しています。